【問題1】
商標法第 50 条(不使用取消審判)の規定に関し、以下の設問に答えよ。
(2) 登録商標の使用の立証において、いわゆる「商標的使用」(自他商品・役務識別機能を発揮する態様での使用)を必要とする立場と「商標的使用」を必要としない立場とがある。
商標法第 50 条の趣旨に照らして、以下の1~3に答えよ。
1 「商標的使用」を必要とする立場について説明せよ。
2 「商標的使用」を必要としない立場について説明せよ。
3 いずれの立場が妥当と考えるか論ぜよ。
本問のネタは、この論文だと思われます。
『不使用取消審判における使用の意義』 パテント 2017 vol.70
パテントは弁理士会員に配布される月刊誌なので、特許事務所に勤務している方はよく見かけるでしょう。
でも、、、読まないですよね。
読むことは推奨しませんけど。
なお、3の立場の結論はどちらでも良いです。正解はありません。
TACは「必要説」、LECは「不要説」の解答を掲載しているくらいですから。
論理的に記載されていればOKでしょう。
なお、この論文を書かれた大塚先生は、「必要説」の立場に立っています。
ところで、「商標的使用」って、あまり聞き慣れませんね。
青本の第26条第1項第6号に、下記の記載があります。
『自他商品等の識別機能を発揮する形での商標の使用、いわゆる「商標的使用」ではない商標の使用については商標権侵害を構成しないものとする裁判例の積重ねを明文化するため、六号を新設し、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる態様により使用されていない商標」に対しては商標権の効力が及ばないこととした。』
要するに、第2条第3項の定義だけをみると、包装紙の片隅に小さく商標を表示しているような場合も「使用」になりますが、これではその商標に識別機能や信用が蓄積することが期待できません。
なので、自他商品等の識別機能が現実に発揮できているかどうかは別として、自他商品等の識別機能を発揮することが期待されるような表示をしないとダメですよね?というのが「必要説」の立場です。
ところで、商標法第50条の趣旨とは、青本によると下記の通りです。
『商標法上の保護は、商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられるのが本来的な姿であるから、一定期間登録商標の使用をしない場合には保護すべき信用が発生しないかあるいは発生した信用も消滅してその保護の対象がなくなると考え、他方、そのような不使用の登録商標に対して排他独占的な権利を与えておくのは国民一般の利益を不当に侵害し、かつ、その存在により権利者以外の商標使用希望者の商標の選択の余地を狭めることとなるから、請求をまってこのような商標登録を取り消そうというのである。いいかえれば、本来使用をしているからこそ保護を受けられるのであり、使用をしなくなれば取り消されてもやむを得ないというのである。』
「商標法第 50 条の趣旨に照らして」、「商標の使用によって蓄積された信用」を重視するのであれば、「必要説」の立場が妥当だという結論を導くのが自然ではないでしょうか?
LECとTACの解答を見比べると、私は、TACのほうが高得点を得られると考えます。
それにしても。パテントの記事を出題ネタに使って良いのだろうか?
読んだ受験生に有利すぎるのは、いかがなものか?
(偶然なら良いけど)
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